医師のストレスを軽減

CDSは時間資源のストレス要因を緩和して、

正確な診断のスピードアップとケア管理の向上に結びつく

Dr. Denise Basow

現代の医師にとって、短時間でより多くの患者を診察しなければならないというプレッシャーの高まりが深刻なストレス要因となっています。これは、医師はめまぐるしく変化する医学的エビデンスをすばやく評価し、臨床に取り入れるべきだという期待により増大しています。足りない時間、多すぎる情報、少なすぎる情報源といった最悪の状況が、誤診を招く環境を形成しています。

臨床意思決定支援(CDS)システムは、このような状況を大きく変える可能性を持っています。特に、臨床認知支援に関連する幅広い取り組みの中心的な役割を果たし得るのは、多くの情報を与えすぎて医師に負担をかけるCDS技術ではなく、関連性が高いとして医師が選ぶ臨床情報を提供するCDSシステムです。このような取り組みによって、医師は正しい診断と適切な治療計画をすばやく、正確に決定できます。

考える時間がない

足りない時間と多すぎる情報という二重のストレス要因は、ウォルターズ・クルワー・ヘルスの依頼を受けたイプソスが現役医師を対象に実施した最近の調査でも浮き彫りになっています。患者に費やす時間(88%)、最新研究の把握(83%)、増加する患者の管理(73%)などは、回答医師が挙げた中でもトップ10に入る課題となっています。

しかし、問題の本質は時間の制約よりも根深いところにあります。新しい情報が莫大な量にのぼることも関連しています。科学記事が1年間に200万件発表されるとして、これを医師が把握するためには、毎日19件の専門記事を読まなければなりません。これは、新たな医学的エビデンスを臨床に取り入れるのに平均17年を要するという理由の一つになっています。医師にプレッシャーを与える別の要因として、新たな所見が臨床慣行を変えるほど重要であるかどうかを医師が判断するのに役立つ指針が欠如していることが挙げられます。

限られた時間で独自に判断を下さねばならない状況で、多くの医師はもはや時代遅れとなった診療を続けています。

近年では、医師が最新情報を把握する手段として、インターネットが利用されています。ウォルターズ・クルワー・ヘルスの調査では、専門誌(84%)が依然として最も利用されている情報源として挙げられている一方で、GoogleやYahooなどの検索エンジン(80%)に情報収集を大きく頼っていることが判明しています。

「Google先生」は広く利用されていますが、実際には問題を悪化させています。臨床上の疑問に対する回答が入手可能な場合、それが1日5~8件のケア管理に関する判断変更に結びつくと考えられるケースが、臨床現場において3回に2回の割合で発生していることが複数の研究で実証されています。残念ながら、これらの疑問のうち、常に回答が入手できるのはその40%に過ぎません。その部分的な理由として、通常のインターネット検索では、関連性の高いもの・低いものが混在した多数の結果が表示され、一見しただけでは明確性や信頼性が確認できない情報源から得た情報も多いことが挙げられます。病気の患者を診察室で待たせている医師には、どの検索結果が適用可能かを評価し、判断する時間はありません。

混乱を沈静化

これらの相関する問題を解決するには、臨床上の疑問をポイントオブケアですばやく解決できるCDSリソースを幅広く採用することです。CDSの使用によって、疑問に対する回答が約90%の割合で得られることが臨床医により確認されています。診断、管理、医学知識の取得に関する臨床的に重大な変更とCDSの関連性を実証する研究は、多数におよびます

CDS、特にUpToDateは、入院期間の短縮や死亡率の低下など、医療アウトカムの向上に直接結びついています。また、臨床上の疑問に対して、実行可能でエビデンスに基づいた詳細な回答をポイントオブケアで提供することにより、CDSは質、安全性、ケアの効率向上に影響を与えることが実証されています。

このように、CDSは大量の臨床情報を管理し、医師が自信を持って治療判断を行う上で、必要不可欠なツールとなっています。CDSリソースは、鑑別診断の際に臨床医を支援するだけでなく、認知支援システムの幅広いニーズに対処して、診断や管理に関連する判断を助けます。

CDSリソースが真に効果的であるためには、信頼性が高く、簡単に利用可能で、医師が最も必要とする回答を示す情報を提供しなければなりません。臨床上の疑問を、最も関連性の高い情報を使用して、簡潔にすばやく解決する必要があります。臨床領域の専門家が最新の医学文献を厳しく評価した上で執筆され、ピアレビューされた独自のコンテンツを提供することが最善であるとUpToDateは確信しています。また、広く行き渡っている臨床慣行を変える所見を強調するとともに、医師が自信を持って実践できる格付け済み推奨治療法を示すというシステムの中で、新たな医学的エビデンスが同様の厳しい評価を経ることも不可欠です。

情報へのアクセス方法も大きな違いを生みます。ウォルターズ・クルワー・ヘルスが行った調査では、モバイル端末が急速に臨床情報獲得の主要ツールとなっていることが確認されていますが、これは多くの医師にとって既知の事実です。日々の診療でスマートフォンを使用していると回答した医師は10名中8名、タブレットを使用している医師は10名中6名、その両方を使用しているのは半数以上にのぼっています。

医薬品情報(72%)、医学研究(43%)、患者を目の前にしたポイントオブケアで使用するエビデンスに基づいた臨床参照ツール(42%)へのアクセス方法は、主にスマートフォンであることが確認されています。タブレットの利用も、医学研究(63%)、医薬品情報(55%)、エビデンスに基づいた臨床参照ツール(50%)と、同様の結果を示しています。

既存および新規の医学的エビデンスを、簡単に理解できる情報に統合し、科学的で実行可能な推奨治療法とともにポイントオブケアで提供することにより、医師は絶え間ないかのように押し寄せる新たなエビデンスの中で、もがき苦しむことを避けられます。医師はまた、臨床上の疑問に対する正確な回答を瞬時に得て、ケア管理に関する最善の判断を裏付けることで、患者に費やす限られた時間を最大限に活用できます。

Denise Basow医学博士は、ウォルターズ・クルワー・ヘルスの一部門であるUpToDateのバイス・プレジデント/ジェネラル・マネージャー兼編集長です。

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